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バルサ式の「止める」「蹴る」
先日、「 渡西した11才の少年が語る日本とスペインサッカーの違い 」を取り上げてみましたが、その中で
「止める、蹴るという基礎部分は圧倒的にスペインの方が上」
というコメントがありました。
「止める」「蹴る」はサッカーの基本で、国内も小学校高学年の強豪チームであれば、レベルの高い技術が身についているように見えますが、日本とスペイン何がそこまで違うのか。
気になりますよね。
そこで今回は、スペイン・バルセロナの下部組織が実戦している「止める」「蹴る」を調べてみることにしました。
バルセロナ下部組織が実戦している「止める」「蹴る」
バルサ下部組織が実戦している「止める」「蹴る」のバルサ式の動画がありました、ありました♪
バルサコーチが子どもたちに
意識させているのは下記4点。
1.正しいインサイドキック 2.ボールを受ける身体の向き 3.プレーしたい方向にボールを動かす 4.ボールを運んで相手を引き付ける |
一つずつ取り上げてみましょう♪
1.正しいインサイドキック(蹴る)
「正しいインサイドキック」
これは様々な意見がありそうです。
いい機会ですから、「正しいインサイドキック」について、子どもと一緒に考えてみるのも面白いかもしれないですね。
バルサ式「止めて蹴る」は、重要な要素として「正しいインサイドキック」を取り上げていますが、「足元でしっかり止める」は、それほど重要ではないと述べています。
ただ足元でしっかり止めることができなければ、試合中のパス回しで足元からボールが離れてしまいますので「出来て当たり前の基本技術」と考えた方が良いですね。
インサイドキックにもいろいろありますので、とりあえず学年または子どもの能力に合わせていろいろなインサイドキックを身につけていきましょう。
例えばですが・・・
学 年 | インサイドキックの種類 |
---|---|
小学校低学年(1~2年生) | ・正面にいる味方に向けて真っすぐ蹴る |
小学3~4年生 | ・緩急をつけたインサイドキック ・ノートラップで相手に戻すインサイドキック ・相手の利き足に向けて蹴る |
小学5~6年生 | ・予備動作を少なくしたインサイドキック(ノールック) |
学年別にインサイドキックの種類を書きましたが、他にも考えられる「正しいインサイドキック」を自身で考えて、ひとつひとつ正確にできるように練習していくとレベルアップにつながります。
「相手の利き足に向けて蹴る」
これは何気に大事ですよね。特に小学生だと左足でのコントロールが上手にできませんので、利き足に蹴ってあげることが次の動きにつながります。
「予備動作を少なくしたインサイドキック」
相手に動きが読まれてしまうとパスコースやシュートコースも塞がれてしまいますので、予備動作を少なくしたキックができるようになると様々なシチュエーションでチャンスが増えます。
バルサの「正しいインサイドキック」は、上に記した内容に加えて ” 正確さ ” や ” スピード ” が、当たり前に表現できることが求められます。
「2.ボールを受ける身体の向き」と「3.プレーしたい方向にボールを動かす」
「ボールを受ける身体の向き」と「プレーしたい方向にボールを動かす」はセットで練習します。下記項目は、どれも試合で大事な動きとなりますので、できるようになるまで何度も練習をしておきましょう。
\ たくさん練習しよう! /
・マークを外して良い状態でボールを受ける(デスマルケ) ・プレーする方を向いてボールをトラップ ・プレーしたい方向へ、1stタッチでボールを動かす |
サッカーを始めたばかりであればボールを受けるときは何も考えずに、足元に止めることができれば良いと思います。
「足元で止める」の重要度は、バルサではそれほど高くはないみたいですが、バルサで学ぶジュニアはみんな「ピタッ」と止めることができています。(^^)
基本中の基本なので出来ない子は、足元で止められるよう練習しておいた方が良いですね。上級生あるいは上のクラスになれば、それだけではダメなので、バルサ式「止める蹴る」などを参考にしながら、ボールを受ける前後の動きを常に意識する必要があります。
ボールを受ける身体の向きを図柄で紹介すると下記のような感じです。真ん中にいる黄色のユニフォームの子(下の図)に注目してください。
①の子は、後ろにいる相手(青色)に気づいておらず、パスカットされてしまう可能性があります。
②の子は、後ろにいる相手(青色)も視界に入っていて、パスをもらってもコントロールできる体勢です。
上記のように周辺状況にあわせて常に身体の向きを変えてボールを受けることができれば、ボールのキープ力、判断スピードが格段にアップします。
ぜひ挑戦してみてください♪
※上記は一例です。①の状態でも後ろに相手がいると分かっていれば、身体の向きとして正しいこともあります。子どもに説明をするときは「こうしないといけない」ではなく、ひとつの例として理解させることも大切です。
4.ボールを運んで相手を引き付ける(コンドゥクシオン)
スペインサッカーでは、「運ぶドリブル(コンドゥクシオン)」と「突破のドリブル(レガテ)」を使い分ける判断が選手に求められます。
” いま運ぶときなのか? ”
” いま突破するときなのか? ”
運ぶドリブル(コンドゥクシオン)にも種類(フィハールとアトラエール)があるのですが、今回は説明を省きます。運ぶドリブルは単にボールを前に進めるのではなく、ここでは相手を引き付けるドリブルを指しています。
\ 身につけよう♪ /
・相手DFを引き付けて、時間とスペースを作る ・ボールを受ける際、止めずにそのままドリブルで運ぶ |
2対1の状態で、黄色のユニフォームの子が軽くドリブルを仕掛ければ、青色ユニフォームの相手選手が近づいてきます。
するともう一人の黄色ユニフォームの味方選手が完全フリーとなり、前方にスペースも生まれパスが受けやすく次の展開を考えながら相手陣地に近づくことができます。
これが引き付けるドリブルで、意図的に状況を作り出します。
練習のミニゲームでも「 なぜそこで運ぶのか 」、運ぶことによって何が変わるのかを常に意識しながらプレーすると実戦で活かせるようになります。
気をつけたいのは運んでいてボールを奪われてしまうことです。相手陣地であれば許容範囲ですが、自陣でDF(ディフェンダー)がボールを取られてシュートをされてしまっては勝てる試合も勝てなくなってしまいます。
引き付ける際の距離感、ある程度、安全なボール運びであることも重要なので、実践で使えるようたくさん練習をしていきましょう!
バルサ式「止める蹴る」として紹介しましたが、国内のバルサのジュニアチーム、少年サッカーチームでも練習に取り入れられています。
今後の国内サッカーもたのしみですね。
息子、がんばれー♪
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