ジュニアユースの試合を見ていると、同じ学年でも体格の差に驚くことがありますよね。
「相手DFの太ももがヤバい」
「身長が15~20cmもちがう」
なんて声もよく耳にします。
大人であれば、さまざまなトレーニングを積んで15~20cmの身長差も感じさせないプレーができますが、中学生にとって体格差は大きなハンデとなります。
学年問わず強豪チームでAチームに入るのは大変なことです。
小柄な選手のレギュラー獲得はかなり難しく、ポジションもFW(フォワード)かMF(ミッドフィルダー)がほとんど。
体格、身長が有利となるDF(ディフェンダー)ではほとんど見たことがありません。やはり大きな選手、骨太の選手が多いです。
目次
公式戦に出れずに終わる中学3年間
強豪チームに所属する身長が低くて線の細い選手は、
「中学の3年間公式戦に出れずに終わる」
これは強豪チームの「あるある」です。
同じレベルの子たちが集まるチームですから、技術的にはそれほど差がないはずですが、Aチームの選考基準は各選手の特徴に加えて、判断能力(ポジショニング等)、身長や体力、パワーなどが見られています。
これからジュニアユースを探す場合、小学6年のお子さんの身長が平均よりも低いのであれば、これらを理解しながらチーム選びをすることも大切です。
最初のチーム分けでAチームに入れなかった場合、ほとんどの選手は最低でも半年~1年はAチームに上がることはありません。
これは本当です。(^^;)
小柄でも、“ 飛ばされない・取られない選手 ” にはなれるのか。
本人たちは不安や悔しさと戦いながら練習に励むことになります。
本ブログ読者は、元FCバルセロナ(FCB)の世界的スーパースターのメッシはじめイニエスタをご存知かと思いますが、彼らは決して大柄な選手ではありません。
二人とも170cm前後ですよね。
それでも、世界最高レベルの選手たちの中で堂々とプレーしていたのはなぜでしょうか?
ここでは、イニエスタのようなプレーを目指すための考え方と練習法を紹介します。
① 「体幹」を鍛えてブレない体をつくる
イニエスタが当たり負けしない最大の理由は、体幹の強さ。
ムキムキの筋肉ではなく、バランスを保つためのインナーマッスルが強いのです。
ボールを持ったときの動作も重心を低くしたプレーが多いです。
重心が低く、軸が安定していると、ぶつかられても倒れにくくなりますので、体幹トレーニングはおすすめです!
💪おすすめの自主トレ:
- プランク(30秒×3セット)
- 片足バランス(目を閉じて10秒キープ)
- 体幹ツイスト(ゴムチューブで左右に引っ張る)
プランクというのは ↓ コレです。

どれも家のリビングで出来ますし、体幹を鍛えることで、ボールを受けた瞬間の安定感がまるで変わりますので、ぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてくださいね。
↓ ↓ ↓ 息子も体幹トレーニングに使っているバランスディスク
② 「相手が来る前に」体を入れる
イニエスタは、相手が寄せてくる前にポジションを取っています。
つまり、「ぶつかられる前に勝負を決めている」んです。
ほんと周りがよく見えてます。
たまに身体が小さいにもかかわらず、トラップをしてから味方を探している選手がいますが、これでは跳ね飛ばされてしまいます。ジュニアユースでは通用しません。遅すぎです。(^^;)
状況に合わせて先に体を入れたり、ダイレクトパス、ボールを相手から遠い位置に置くなどして、取られにくくします。
試合で意識するポイント:
- パスを受ける前に「相手の位置」を確認する
- ボールを受ける瞬間、体を相手の前に滑り込ませる
- 当たられる前に次のプレーを決めておく
- スペースを作るポジショニング
- ボールは相手から遠い位置にキープする
この「一歩先の準備」が、線が細くても勝てる秘訣です。
↓ ↓ ↓ 動きが「おかしい」と感じたらコーチングボードでチェック!
③ 首を振って「サッカー脳」を鍛える
イニエスタは、試合中に1試合で100回以上首を振ると言われています。
ボールをもらう前に、何度も周りを確認しているのです。
その結果、ボールを持ってから考えるのではなく、
「もらう前に考える」ことができる。
だから、相手が寄せてきても慌てません。
練習・試合で意識すること:
- 練習中、1タッチごとに首を振る習慣を作る
- 味方の位置を常に意識してプレーする
- 1秒先のプレーを想定して行動する
先ほどの ② の項目と内容はカブりますが、ボールをもらう前にスペースを生み出すポジションが取れれば、パスを受けた瞬間にそのスペースに向かってドリブルを仕掛けることができます。
スピード感のある動きの後、さらに前に仕掛けるか、素早く味方につなげれば相手はついてこれません。
常に意識をしておけば判断も早くなり、ボールを奪われる確率は激減しますので、ぜひ「首振り」の練習も取り入れていきましょう♪
④ 小さなタッチで「リズムをずらす」
イニエスタは、派手なフェイントで抜くことは少なめで、ほんの数センチのボールタッチで、相手をズラしています。
これは「相手の重心をずらす」技術。
やってみると分かりますが、わずかなボールタッチで相手をずらすのは、難易度高いです。
「ほんとに何度も練習すれば出来るようになるの?」
と不安になるほど難しいレベルです。(^^;)
⚽ボールタッチの練習サンプル:
- コーンを10cm間隔で並べて、最小タッチドリブル(ジグザグドリブル)
- 相手役と1対1で「当たられる前にタッチ」する練習
- フェイントよりも “ リズムチェンジ ” を意識する
「抜く」より「外す」ドリブルを意識しましょう。
※リズムチェンジ・・・ドリブル中にスピードやボールタッチのリズムを意図的に変えること
↓ ↓ ↓ 練習に必須のマーカーコーン!
⑤ 力を入れすぎず、「受け流す」
日本の選手によくあるのが、
「当たられる前に体に力を入れて構える」
小中学生であれば、多くの選手がそうしていると思います。
でもイニエスタは、当たる瞬間に力を抜いています。
もちろん力を入れているときもありますが、衝撃を吸収して“転ばずにいなす”ことができているのです。
相手の体がぶつかるタイミングで相手をかわす技術は、合気道や柔道にも通じるかもしれません。
練習中に意識すべきは、
「倒されない」
ではなく
「相手の力に逆らわずかわす」。
力で対抗するのではなく、バランスで勝つのです。
サラッと言ってますけど、ボールも取られない位置に動かさないといけないので難しいです。たくさん練習して見につけましょう!
↓ ↓ ↓ 体幹トレーニングに取り入れたい縄跳び!
⑥ 細身の選手に合うポジションを探す
体格で勝てないなら、「ポジション選び」も大事です。
小柄な選手でも輝けるポジションはたくさんありますので、検討してみてください。(ポジションは決まってしまうことがあるので、可能であれば・・・の話です)
例えば:
- サイドハーフ → 俊敏さを活かしてチャンスを作る
- ボランチ → 判断力とパス精度で試合をコントロール
- トップ下 → スペース感覚とテクニックで勝負
自分の特徴を理解して、新たなポジションも探してみましょう。
⑦ 継続が最強の武器
体格の差は、今すぐには埋まりません。
でも、意識は今すぐ変えられます。
イニエスタだって、いきなりあのプレーができたわけではありません。
毎日の練習で少しずつ、自分の武器を磨いていったのです。
「自分の弱点は、自分の努力で武器に変えられる」
この言葉を信じて、コツコツ積み重ねていきましょう。
まとめ:イニエスタが “ 飛ばされない・取られない ” 5つの理由
1.重心が低く、バランスが抜群
2.相手より先に体を入れる
3.首を振って周囲を常に確認している
4.小さなタッチでリズムをずらす
5.当たられても力を抜いて受け流す
イニエスタに限らず、好きな選手のスロー動画を見るなど工夫をしていけば、
「どうしたらいいの?」
に対する答えが見えてきます。
サッカーは筋肉勝負ではなく、
考えて、感じて、動くスポーツ。
体が小さくても、ブレない技術と頭があれば、
大きな選手にも勝てます。
線が細い子こそ、技術と判断を磨いて、
「小さくても強い選手」になっていきましょう。😊👍
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