「サッカーA代表」と「五輪代表」の違いは?
「サッカーA代表」と「五輪代表」の大きな違いは、ズバリ年齢です。
だけどオリンピック競技で年齢制限があるなんて珍しいですよね。
A代表の年齢制限は?
4年に一度のワールドカップの選手選考に年齢制限はなく、国内および海外で活躍する全ての選手が選考対象。国際試合経験、体力、活躍などを踏まえ、招集されるメンバーは25~28才が中心となっています。
代表入りする選手は欧州組がほとんどで、国内リーグからは毎年数名が選ばれています。
五輪代表の年齢制限は?
23才以下の選手でチーム編成しなければなりません。オーバーエイジ枠(OA枠)は3名まで可能です。
A代表(フル代表) | 五輪代表 | |
メンバー | 年齢制限のない国を代表するチーム | U-23(23才以下)の代表チーム |
年齢 | 平均年齢は25~28才。選手の能力によりU-20 ・U-23のメンバーが代表入りすることもある | U-23以下の選手でチーム編成しなければならない OA枠(オーバーエイジ枠)の選手を3人まで選抜可(男子サッカーのみ) |
選考基準 | 日本国籍を持つ 他国のA代表で公式戦に出場したことがない 所属チームで質の高いプレーで貢献している | 日本国籍を持つ 選手のシーズン実績 代表実績 |
なぜサッカー男子は年齢制限があるのか
事の発端は、1984年のロサンゼルス五輪からそれまで禁止していたプロ選手の出場を解禁する動きがあり、警戒した国際サッカー連盟(FIFA)がそれらを認めなかったことから IOC(国際オリンピック連盟)とFIFAの 話し合いが始まったのです。
要はプロ選手がオリンピック(五輪)に出場してしまったら、ワールドカップの存在意義が薄れてしまうのと、多額の年俸を支払うクラブ側としても選手にケガをされたらたまらないわけです。
しばらく IOC と FIFA はバチバチ対立していたのですが、最終的に両組織の妥協案として「U-23以下の選手に限る」というルールが策定されたのです。
ただその後もクラブ側の代表招集の拒否が相次いだため、FIFAは2012年、問題をクリアにするために五輪出場に対しては
「オーバーエイジ枠をのぞく23才以下の選手の代表招集をクラブ側は拒否できない」
としました。
が、これらも強制力がなく、現在も23才以下の若きスーパースターがさまざまな理由でオリンピックに出場していないのは残念なことですね。
そう言えば、
まだまだ FIFA と IOC の対立の根が深そうなエピソードがあります。
ウルグアイ代表のユニフォームには4つの「☆(勝ち星)」が描かれているのですが、そのうちの2つ(オリンピック勝利)を取り除くようユニフォームを提供しているプーマ社にFIFAが要請しているのです。
理由は、オリンピックはFIFA管轄下の大会ではないということです。
ユニフォームに勝利の星をどのような理由で描くのかは国の判断で良いような気もしますが、現在もウルグアイとFIFA双方で話し合いが続けられています。(2021年8月現在)
オリンピック(五輪)の選手登録は18人
「U-23以下の選手限定」のルールは、1992年のバルセロナオリンピックから導入され、1996年のアトランタオリンピックより3人のOA枠(オーバーエイジ枠)が認められるようになりました。
ワールドカップの登録選手は上限23人、オリンピックは18人。
なぜオリンピックが5人も少ないのか理由は分からないのですが、過密日程のオリンピックは選手の負担も大きいのは明らかで、やはり先述した IOC と FIFA の対立が関係しているとも言われています。
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