今回紹介するのは、スペインの名門サッカークラブ・ビジャレアルの育成メソッドをまとめた「 教えたないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術 」です。
著者は、実際にビジャレアルで指導者として現場に入っていた佐伯夕利子氏で、そこで得た知見を活かし書籍化されたものです。
日本のジュニアサッカースクールも、それぞれ歴史がありますので、すべてを真似する必要もありませんが、一読の価値ありと感じました。
16歳でプロ契約をした選手の98%近くが上位5リーグで生き残れない現実
冒頭から衝撃的な文章から始まります。
2020年10月、かつてマンチェスター・シティFCのアカデミー(育成組織)に所属していたジェレミー・ウェスティンが17歳で亡くなりました。18年にシティから契約を切られていました。
・・・略・・・
自死というだけで、報道には動機は書かれていませんでしたが、育成に身を置いてきた私は彼の絶望と落胆を想像し心が震えました。
いまの日本もそうですが、サッカーだけをして過ごしている小学生の多さに驚かされます。
息子もサッカーメインの生活をしていますが、学校のお友達と遊ぶ時間、夏休みは映画を観たり、キャンプや川遊び、プールなど、できるだけいろいろな事、モノに触れる時間が持てるようにしています。
小学校低学年から4年生の頃は、懐中電灯を持って、クワガタ・カブトムシを捕りに行ったことも良い思い出です。
街灯のない本当に真っ暗な場所で、初めて行ったときは息子もコワかったと思います。
最初の頃は、300ルーメン程度のヘッドライトとタクティカルライトを使っていました。
息子が4年生の時に使っていた懐中電灯は、1000~3500ルーメンの明るいものです。2~3個使えば、街灯がなくてもコワくないレベルです。
実際にキャンプや釣り、クワガタ捕りに使っている懐中電灯のリンクを貼っておきますので、これからクワガタ捕りやキャンプに行かれる方は下の製品を参考にしてくださいね。
↓ ↓ ↓ キャンパーや釣り人に大人気のオーライト(OLIGHT)製品。使い勝手、ライトの明るさに大満足のユーザーも多いです。
↑ これは1番人気のオーライト Baton 4(写真右上)です。
ライトのみの Batton 2 を持っていましたが、ケースに入れておくと充電ができるモデルが発売されて買い替えたものです。
写真に写っているケースは、ヘッドライトなど他の製品も充電することができる優れもの。
最大1300ルーメンの超強力な明るさで、夜の散歩、防災、作業、キャンプや登山に最適!
手のひらサイズで使いやすくおススメです♪
↓ ↓ ↓ 持ち運びできる大きさで充電ケース付きなので、防災用にもGOOD!
少し話が脱線してしまいました。。。(^^;)
子どもの頃から、やりたい事を我慢してサッカー一筋でプロになった選手もいるかと思いますが、それもレアケースです。
超レアケースを取り上げて、お友達と遊びたい気持ちをすべてシャットダウンさせるのも可哀そうですし、やはりいろいろと経験を重ねながら、サッカーを続けてほしいものですよね。
高校卒業後、燃え尽き症候群でサッカーから離れ、大学時代は一切サッカーをやらず、遊びまくったという社会人にも会いました。
高校のユースでプロを諦めたという人もいました。
息子はまだ小学生ですし、どちらかというと友達と遊ぶ時間も作ってあげた方が、サッカーや勉強も頑張ってくれる感じなので、バランスを見ながら調整をしていく予定です。
本著にも書かれてますが、13歳から16歳までの間に4分の3以上が戦力外となります。これって10代の子たちも精神的にキツイですよね。
16歳でプロ契約を結んだ選手の98%近くが、18歳時点ですでに1から5部までの上位5リーグで生き残れないとあります。
最近の調査によると、18歳でプレミアリーグのチームとプロ契約した選手400人のうち、22歳になってもトップレベルにとどまるのはわずかに8人、5年前のデータでは、イングランドの150万人以上のフットボーラーのうちプレミアリーグでプレーしていたのは180人。その確率はたった0.012%なのです。
なんともスゴイ数字が並んでますね。
この数値を頭に入れておく必要があります。
プロになれる確率0.038%!!!
2000年にメッシが13歳でスペインに来た当時、同じカテゴリーのスペインフットボール協会登録選手数は「8万3801人」。
その後、スペイン1部リーグデビューを果たしたのは、たったの48人です。
2020年現在の登録選手数は、メッシが来た00年時に比べ2倍に膨れ上がりました。プロになれるのは2600人にひとりで、その確率は0.038%。
いまサッカーをしている子供のほとんどがプロになれないということです。
日本も同じようにほとんどの子がプロになれないのですが、サッカーチームの指導現場では、子供たちへの暴言、パワハラが繰り返され、サッカーの楽しさを感じられなくなるような環境になっています。教えている本人たちが気づいていないのです。
全員がプロを目指しているわけではありませんが、選手をけなしたり、威嚇し恐怖を与えたりする人は指導者ではないとも書かれています。
ビジャレアルでは、コーチにカメラとピンマイクをつけて、自分たちの指導をみんなで振り返るという活動が続けられています。
選手たちへの声かけ、どのタイミングでどこを見ているのか、何に注目して指導しているのか分かるように記録。
そうやって撮影されたビデオをみて、コーチは互いに指摘し合うのです。
「あれじゃ選手がコワがっちゃうよ」
「あそこは選手に自分で考えさせたほうがよかった」
「あの声がけは良かったね」
など指導者の言葉や態度にも注意をはらいながら、良かった指導を認めたり、褒めたりもするそうです。
いまビジャレアルが取り組んでいる ” いかに相手をやる気にさせるか ” という指導改革をすべて真似することはできないですが、国内サッカーチーム、野球、バスケ、バレーなど幅広いスポーツ指導者が目を通しておくと良いと思いました。
言われたことだけを素直にする選手は、コーチにとっては練習を進めやすく、やりやすいものですが「自分の知識を一方的に押し付けている」だけです。
自ら考え、答えを導きだす訓練を小学生のうちからしていければ、社会に出てからもいろいろな分野で活躍できそうですよね。
国内サッカー指導者の意識は、かなり変わったと感じますが、大きな大会に行き、いろいろなチームが参加していると、まだまだ罵声・暴言が目につくことがあります。
本著を読み終えて、いまU-12、U-15、U-18の子供たちにサッカーを教えているコーチにもぜひ読んでもらいたいと思いました。
自身の指導法で変えた方が良いと感じた所を変えるだけでも、サッカーがたのしいと感じ、サッカーを続けていこうと思える子どもが増えていくのは間違いありません。
息子がもう少し大きくなったら、
机の上にそっと置いておこうと思います。
来年から中学生。
がんばるんだよー。
読んで学べる面白いサッカー選手の本
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通訳日記 ザックジャパン1397日の記録
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