今回、紹介する本は、サッカー日本代表の守田英正選手が書いた『「ずる賢さ」という技術 日本人に足りないメンタリティ』です。
タイトルだけ見ると
「相手をだましたり、反則すれすれのことをする話?」
と思ってしまいそうですが・・・。
この本でいう「ずる賢さ」は、相手との駆け引き、状況判断、自分の見せ方、そして自分自身をコントロールする力。守田選手がサッカー人生の中で身につけてきた「勝つための考え方」に近いものだと感じました。
特に面白かったのが、
「ピッチ上では役者になれ」
「見えていないフリをして逆を突く」
「スルーパスは目線と体の向きで騙す」
といった考え方です。
中学生だと、まだまだ駆け引き、相手を騙すプレーが少なく相手に読まれやすいプレーをしている選手も多いので、非常に参考になると思います。
例えば、ドリブルをしていて味方の方向を見ながらパスを出そうとすれば、相手DFにも簡単に動きを読まれてしまいます。あえて味方を見ないようにしておいて、相手が一瞬油断したところでパスを出す。
あるいは、パスを出す方向とは逆を見て相手の視線をずらす。
技術そのものは同じでも、「どう見せるか」で結果が変わるのです。
このあたりは、単純なドリブルやパスの練習だけでは身につきにくい部分ですが、守田選手は意識をして取り組んでいたそうです。
サッカーでは、ミスをしたあとに落ち込んでしまうことがありますよね。
「またミスした……」
「自分はダメだ……」
となってしまう。
でも、そこで感情に飲み込まれるのではなく、
「いや、今のは判断が遅かっただけだろ」
「次は一歩早く動けばいい」
と、自分を外から見る。
これは上を目指す中学生の選手にとって、かなり大事な能力かもしれません。
失敗をおそれず挑戦し、うまくいかなければ次にどうすれば良いか考えてプレーをすれば良いのです。
中学2年生くらいになると、
「足が速い」
「ドリブルが上手い」
「キックが強い」
強みとして必要なものばかりですが、これだけでは差がつきにくくプラスαが必要です。
どこに立つのか。
いつ動くのか。
相手をどう動かすのか。
味方にどう見せるのか。
そして、自分が今どういう状況なのか。
こういう「頭の部分」が、少しずつ大きな差になってくる。
本の中では「ずる賢さ」の原点が中学時代にもあったことが語られています。
そう考えると、今まさに中学年代でサッカーをしている選手には、かなり面白いタイミングの本だと思います。
「どうすれば相手より先に状況を読めるのか?」
「どうすれば相手に自分の意図を読ませないのか?」
を考えてみる。
プロサッカー選手ですから、上手いのは当たり前。
「試合の中で相手より一枚上手な選手」
になることが必要です。
守田英正選手のいう「ずる賢さ」は、そんな能力なのかもしれません。
それとフェアプレーの多い日本サッカーですが、海外に行くことを目指すのであれば、欧州の反則ギリギリのプレー、明らかに反則のプレーが当たり前の世界も頭に入れておく必要があります。
タイトルには少しクセがありますが、読んでみると「ずるをする技術」ではなく、勝つために頭を使う技術。
中学生のサッカー選手が読んでも、「今度の練習でちょっと試してみよう」と思える部分が見つかる一冊でした。⚽
特に「裏抜け」「相手との駆け引き」「ボールを受ける前の準備」を意識している選手には、かなり面白い本だと思います。
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